2012年9月11日火曜日
「かくかくしかじか1巻」東村アキコ
集英社 「かくかくしかじか1巻」東村アキコ
何も考えていない くるくるパーの顔した 私
私自身も高校生の頃は身を入れず勉強?って感じでした。ただ理系教科に関しては、なぜかあまり勉強しなくても、高得点が取れる才能があり、勉強?っていう感じになってしまったのですが、こういったうぬぼれや、高慢な態度は、人生を重ねる上ではやはりマイナスなんじゃないかと、最近思う訳です。
あの頃(高校、大学と)もっと勉強しておけば良かったと、親や先生の言葉が今頃身に沁みるんですよぉ(マジ)。
この作品を読むと、東村せんせも同じような体験をされてます。
ただ私と違うのは、ここぞ、というところで恩師の日高先生に出会い、有無もいわされない状態でがむしゃらにやったという事ではないでしょうか?
学校の教育と違い、お習い事は、師弟の関係みたいなものがあり、師の言葉は正に、『ここでは この人(先生)が法律だった』というように、I'm the Lowな訳で、反抗できない状況です。
これでいいのか?これがいいのか?と自問自答し、東村せんせも、辞めよう!と思いますが、日高先生は嘘をついた東村せんせをおんぶして、バスが来るまで待っていてくれたり、本当はとっても優しい人なんだと、結局、「怒られる」意味を何となく知るんですよね、
こういう体験は、例えば、アルバイトを始めたばかりの時、先輩や社員さんに怒られるみたいな感じと似ていると思います。最近では、教師や親までが怒らなくなってきて、こんな風に怒ってくれる方は少なくなってきているのかもしれません。
先生の優しさという点では、東村せんせが完璧だと思えた推薦入学に失敗した時ではないでしょうか?
ここでも明子の超うぬぼれ感がいなめません(東村せんせすみません)
こういう高慢な態度ではやはり落ちるんですよね、うん、推薦なのに・・・・・
日高先生は落ちた明子を飲みに誘います。
『おう 落ちたか すぐ出て来い 飲み行くぞ』
すごいのは、やはり落ち込む隙を与えないって事です。
悩んでいても不合格は不合格、合格ではないし、何も解決はしません、
『林 飲め 今日だけ飲んで 明日から また描くぞ』
まぁ、東村せんせは描きたくないとゴネますけれど(笑)
大学受験は確かに地方巡業のような事がありますよね、私自身も関西方面に巡業した経験があります。見ず知らずの土地のビジネスホテルに泊まって、次の日の受験に備え、下見に行ったり、隣の部屋のカツプルがうるさかったりしてゲッソリしたり、そうした特殊な状況ですから、宮崎出身の明子には、雪は印象に残ると思います。国境の長いトンネルを抜けると雪国であったという、川端康成ばりな・・・・・
金沢でいろいろあった1次試験に合格した明子に、日高先生は、第一志望の不合格を連絡してきます。(マジですかね、東村せんせは日高先生をド直球と評してます)
1巻の巻末は以下のような台詞で締めくくられます。
私達は 毎日 小さな嘘をつきながら いつの間にか大人になって
大人になったら その嘘の量は 2倍にも3倍に増えて
毎日毎日 色んな人に 気を遣い 色んな人に 気を遣わせ
もう何が本当で 何が嘘なのか 分からない世界を 生きていて
なんだか毎日 悲しいやら 情けないやらで
そんな時はいつも 先生のことを 思い出します。
ねえ 先生
先生
私の先生
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