2014年1月5日日曜日

「終電にはかえします」雨隠ギド

確か雨隠ギド先生を知ったのは.....
2008年発行の「ファンタズム」だったと思います。
人の悪意が化物みたいに見えるという特殊な才能を持つ女の子のお話で、
ギド先生は漫画が本当に好きなんだろうなという印象を受けたのを記憶しています。













その後、コミティアなどで、2009年にサークル?KIOKSで再収録で発行されている
「Wandering in the World3」とか、「五月病」、「五月病2」あたりの同人誌を読んでいて、
同じ年に、「まぼろしにふれてよ」という学園物のファンタジーの商業誌が出てハマってしまい、













2010年の同じくKIOKSの「黄金の分け前」、「夜は光を食む獣」
年式不詳の「駆け落ち」とか.....











2011年に、待ちに待った「まぼろしにふれてよ2」と「恋煩いフリークス」と、
えっと、これは読んでませんが、BL本が2冊←ギド先生はきっとBL好き


























2012年11月に「まぼろしにふれてよ3」





そして、
2013年に初のGL単行本「終電にはかえします」
という事になってます。










総評として先に言ってしまえば、「物凄くイイ」です。

タイトルの「終電にはかえします」という作品には前段があって、
「ひらがな線、あいう駅より」という作品がそれにあたるのですが、
この作品を含めてが「終電にはかえします」という一連の作品な訳で、
「ひらがな線、あいう駅より」は2011年のひらり、Vol.6に掲載されたんですけれど、
この本のタイトルである「終電にはかえします」が2013年のひらり、Vol.11ですからね.....

ミスコンで優勝して玉の輿をめざす一見性格の悪そうなJK3年生の瀬戸あさきは、

電車の中で盗撮されそうなところを、
後輩で1年生の、見た目ヤンキー(マスクして、マフラーしてスカートの下はジャージ)の
奥山ツネに助けてもらい、それからよく電車で一緒になり、お話しをするようになる。
あさきにとってこの路線は友達がいなくて暇だし、ツネが痴漢よけになりそうとか、
まぁ、自分勝手な事想像しているわけですが、













ツネはヤンキーみたいなのでか、同級生に敬遠されていて、
そんなツネに気を使って、あさきは一人いろいろ話すうちに、
あさきが降りる「あいう駅」に到着してしまう.....










ツネはぽつりとつぶやく「あいうは好きですよ センパイの駅だし....」










マスクをはずし、伏目がちなツネにあさきは

「かわいい!!! かわいい!!! どうしよう かわいい!!! かわいいいいいい」

瞬間、ミスコンも玉の輿もふきとんで、
いつまでもずっと、彼女とこの線をたどっていきたいと、心からおもい涙するのです。
しかも自分でも、なんで泣いているのかわからないという.....






萌えますね、ホント、
しかし、全然「終電にはかえします」の説明になっていませんね、
本編「終電にはかえします」をお読み頂けるともっとデレてしまうと思いますよ。

PS
何か忘れていると本棚みたら、あっ.....

2013年6月28日金曜日

放浪息子(完)

青い花に続き、放浪も終焉となります。
放浪は特に思い入れが強くて、
こうしてハンドルネームにするくらいですから、
千葉さんにはホント共感する部分が多い作品でした。

青い花も、放浪も、マイノリティな内容なので、
こうして10年も描き続ける事は非常に辛い部分もあったかもしれません。

理由はわかりません。

けれど、
私は本棚から放浪を取り出し、
何度も何度も読むだろうと思います。

あるいは、
時間をもう少しおいて、
再び思い返して読むかもしれません。

いずれにしても、
再び志村先生の新しい作品が読めるようにと願っています。

さよなら放浪息子.....

2013年5月30日木曜日

青い花BD化

まったくもって凄い空白.....

「青い花」のBlu-ray BOXが、2013年9月6日に発売されることが決定した。
特典として

  • BOXには描き下ろしイラスト
  • 12ページのブックレット
  • 志村先生のイラストで綴られたノンテロップエンディング映像
ということらしい。

7月のエロエフVol.82で最終回という青い花、2004年11月から約9年という
読者の皆さんも同じだけお歳を召されて、連載開始とはまた違った視点で
「青い花」を客観的に見る(読む)こともできるようになったかもしれません。

少し早いですが、

何より、志村先生に「ありがとう」と言いたい。

そして「お疲れ様でした」....と(号泣)




2012年11月24日土曜日

「恋する女の子はいつも」四元シマコ

←か、かわいいですw



















佐々木みな、17歳にして恋愛指南書読み込み歴6年。
実績と失敗を経て身に付いた傾向と対策・・・














付いたあだ名は「恋愛相談師」

そして今日もまた、ミナに相談が入ります。

その男子は多数の女子とお付き合いしているようで、
いろんな子を泣かせているという噂、
最初から選ばなきゃといいと、ミナの友達は言うけれど・・・
好きになってしまったり、思い通りにいかないと余計に追っかけてしまうもの、

恋する女の子はやっぱりかわいい!! だから、
そうゆう子をもてあそんでいる男なら許しがたいものがあるとミナは思うのです。

普段は相談を受けても、男子を見に行くという事はないのですが、
噂の男子「大藤君」、相談にくる女子が何人もいて、ミナは大藤君を見にいきます。

探りを入れていると、大藤君に気づかれます(ミナもまぁ有名なので)
お互い初めてまして同士なのですが、

「男ならみんな知ってるっしょー、かわいくて有名だもん!」

大藤君、一見チャラい感じの男の子です。(オリラジ藤森さん?)

探りを入れたはずの質問でもうまくかわされてしまいますが、
大藤君本人は、お付き合いしてる彼女は「いない」、「いつもいない」と言います。

・・・?!、いつもいないって・・・、

大藤君は彼女を作らないようにしていて、
女の子はかわいくて、笑ったり、喜んでいる姿を見るのが好きなんだとか、

本人いわく、

話しかけて、良いところを褒めたりすると
嬉しそうにしたり、照れてみたりしてくれる。
そうゆうのは誰かの彼氏になると反感を買うので、
遊んでくれる女子には「彼女は作らない」って伝えている。と・・・

結果、女子がヤキモキするんですけれど、
まぁ、大藤君なりに考えはある様子。

ミナも、女の子がかわいくってトコは理解できる。
そもそも、女の子が恋している姿がかわいいのだ。

「男の人って、女の子を喜ばせると嬉しいって気持ちが元々あるのよ」

この手の話をすると、すぐに悪い奴とか、タラシとか言われるので、
理解してくるミナに、

「なんか、すっげえ、うれしー」

と満面の笑みをかえす大藤君、







そんな大藤君にちょっと好意を持つミナちゃんであった。

その日から、大藤君となんとなく、顔をよくあわせるようになり、
時々、話したりするようになります(笑)









大藤君はミナちゃんが気になるのか、
彼氏がいなくても全然いいの?とか聞いたりします。

ミナちゃんの望む目標は、
私の事を誰よりも好きって言ってくれる人でもなく、
さみしいのを埋めるのでもなく、
条件のいい男の子と付き合うのでもなく、

「わたしがその人のこと心から好きになれる人に出会うことかなぁ」

その言葉に、大藤君、グッときたご様子

「・・・へぇ、いいね」

大藤君についての相談もあまり耳にしなくなり、
それと共に、時々聞くようになった、大藤君のうわさ話、

ミナは胸が痛くなる。
駆け寄って大きな声で、大藤君のいいところはね って話したくなるのも
わたしがお節介だからだけでは、とても片付けられない程、
とても、
言えない程
女の子はいつでも
素敵な恋いを求めている。











そして物語は次回に続くのですが、
ど、どうなるんでしょうか?
まぁ中二ではありませんから、察しはつきますよね(笑)、
そこはお決まりとしても、
楽しむというのが、ある意味ルールなので、
1月号を待ちたいと思います。

12月号のTWO、どの作品も素敵でしたが、
個人的には、
  • 湯木のじん先生 「茜君のココロ」
  • 綾瀬羽美先生 「ひだまりの海 前編」(後編がとっても楽しみ)
  • 紗織先生 「孤独なトナカイ」
  • 増田里穂先生 「25日のハグルマ」
などの作品が好きでしたね。

2012年10月25日木曜日

「荒野の恋3」タカハシマコ 原作:桜庭一樹

恋ってもっと、かわいくて幸せなものでしょう?

「どうゆうこと?」
「留学って・・・どうゆうこと」

自分だけ知らされていなかたみたいで、不安になる荒野、
悠也は再婚すると決まった時、
すでに留学の事を頼んでいた。
何も知らなかった荒野はちょっぴり立腹する。


「遠くにいきたいっていってただろう」

再婚の際、悠也は別棟に隔離されてしまい、
その事が原因かなと思う荒野・・・・・ 

しかし、悠也はそうではないという、

「ほら、遠くって言葉、具体的になっただろう」

そう、かつて悠也が荒野に言った言葉・・・・・

悠也:「荒野にいきたいんだ」
荒野:「それって具体的にどこなの?」(←悠也に女みたいなことと言われた台詞)

「あ・・・に・・・二年たったら帰ってくるの?」
「さあ、でも、おそらくここには、もう、もどらないと思う」

言い放つ悠也の背中を見て、荒野は、ずっと悠也の背中ばかり見ていたんだと気づく
「恋って つまりは 所有欲だと思う」悠也のフラッシュバックが蘇る
そして荒野はまた胸が苦しくなり、よくわからなくなってしまう。

「どうして こんなに 泣きたいんだろう」

その理由のわかる誰か・・・大人の女性に聞きたいと思う荒野、

大人の女性・・・・・

荒野はその夜、以前、荒野の家の家政婦をしていた奈々子の携帯に電話をかける。
番号が変わっていない事を祈る荒野、
そして懐かしい声が携帯越しに聞こえる(涙ぐむ荒野)

「奈々子さん、いま、どこ」
「東京」
「・・・え?」
「場所をかえようと思って、でも、まあ、やっている仕事は同じさ」
「・・・奈々子さんも場所を、かえようとする人だったんだ(はー)」
「えっ?なに?」

荒野は、奈々子に電車で出会った男の子(悠也)の事を話していた(吊り橋効果の事)、

「奈々子さん、これは、なに?」
「なにって、おまえ、恋だろ」
「・・・奈々子さん、ちがう気がします」
「なんだよ、敬語で、なんでちがうんだよ、いってみ」
「だって、いまの気持ちはなんだか不安で、すごくおこっているときに似ていて、へんなの」
「恋って、もっと、かわいくて幸せなものでしょう?」
「これが恋?ちがうよね」

荒野の問いかけに応える奈々子だが、そんな奈々子も、
場所を変え、二度と父や、自分に会うことはないのだと知る。


この家から失われていく何かを感じる荒野

電話が終わってしまいしゃがみこんでいると、奥の部屋の方から、何か声が聞こえてくる。
行ってはいけないと思う(感覚的に)のだが、そっと、声のする方に向かう
声は、父の部屋からだった。

少し開いた障子の隙間から、女性の手が見える。
その手をさらにもうひとつ男性の手が覆う、

荒野はドキッとする。

あまりにもびっくりしてしまい、
裸足のまま走って悠也のいる別棟へ行く荒野

「・・・どうしたの」
「見ちゃった」
「なにを」
「パパと蓉子さんの」
「・・・・・・、おまえ、なあ・・・」
押し黙る二人
「・・・どうしたら、いいのかな」(悠也)
「えっ」
「あの日、あの朝、ほら、入学式の・・・」
「ああ、うん」

押し黙る二人
「あのね、吊り橋効果なんだって」

荒野は、奈々子に言われた吊り橋効果の話を悠也にする。

「・・・なんだか、それ、ばかっぽいよな」

悠也は荒野ににじり寄る(ここの感じが如何にも男子で衝動を感じます)

「わたしもそういったの、荒野はばかじゃないよって」
「だけど、ねえ悠也・・・」
「このうち全体が、ずっと、吊り橋みたいにゆれているよ」

そう荒野が言った瞬間、荒野を押し倒す悠也(キャー、赤面)
「悠・・・っ、キャッ」
「こんなことを」
「こんなことをするだろうって、隔離されたんだ・・・!」
「すごく、わるいことなんだ・・・!」

躊躇した悠也を退け、外に飛び出し、母屋に戻る荒野
少しして悠也がやってくる

「ごめん・・・」
「荒野・・・」
「なに」
「さいしょに電車の中で見たとき、おまえのこと好きになった」
「・・・、吊り橋効果だね」
「それをいうな」
「どうして」
「だってやっぱり、それは、なんだかばかみたいだろう」
「うん・・・」
「でていってごめん」

待っていてくれたら戻ってくるという悠也、
荒野には信じられない。

「・・・うそだ」
「うそじゃないよ」
「ほんとうにもどってくる」

ガラス越しに見つめあい、手と手を重ね合わす二人、

ガラス戸を開け、二人は唇をそっと重ねる。

走り去る悠也、荒野の手元には一冊の本が、
その本には栞が挟んであり、その場所を開くと・・・・・

男たちは 常に 終わりなき出発を夢見る
安全な 暖かい家庭 バラの匂う美しい庭
友情や
愛や
優しい夢や
そんなものの一切に
或る日 突然
背を向けて
荒野をめざす
だから
彼らは 青年なのだ
それが 青年の特権なんだ
『青年は荒野をめざす』五木寛之(文春文庫刊)より

読み終わった荒野には何だかよくわからなかった、
なぜなら・・・・・

「だって、女だもん」

山野内荒野
12歳
おとな、以前。












今回、田中江里華ちゃんは登場していません。
ので次回は3巻で江里華ちゃんが登場した箇所を中心にレビューしようかと思います。
ではまたね。

2012年10月7日日曜日

「藤代さん系。」湯木のじん

別マ期待のルーキー!!

こんにちは、ハハ、ごぶさたしております。結構更新が怠りましたね(汗)

さて、湯木のじんセンセの「藤代さん系。」は、4つ(うち表題の藤代さん系。は3話構成)のストーリー
で構成されています。

藤代さん系。
  • 第1話、平成23年12月増刊号 別冊マーガレットsister
  • 第2話、平成24年3月増刊号 別冊マーガレットsister
  • 第3話(最終話)が、平成24年6月別冊ふろく
その他に、
  • 「かわいいのなんか知ってますけど何か?」別冊マーガレット平成22年12月増刊号と別冊マーガレットsister
  • 「3いこーる1たす2」デラックスマーガレット平成22年1月号
  • 「ちょいっとな」別冊マーガレット平成21年8月号

で、藤代さん系第1話です。




















登場人物はもちろん藤代さん、名前は「藤代かよ」ちゃん
両親は公務員(お母様は元公務員)、お見合い(晩婚)
藤代さんの好きな言葉、「勤勉」「謙虚」「誠実」「無遅刻・無欠席」
そんな藤代さんは真面目なのですが、要領が悪いのか成績は中の下
返却された答案用紙の得点(平均点以下)を見ながら自分を納得させているところに
久世君(←むっつりS系イケメン)が通りかかり、
藤代さんの答案用紙を見てぽつりとつぶやきます。

「いつも真面目なのに何で?」

















自分でも何でだろう??と思うのですが・・・
久世君は1・2年と同じクラスで、この間の席替えで初めて隣になったらしい、
藤代さんとは性格がまったく反対?で、遅刻、さぼりの常習犯
けれど、いますよねー(マンガの世界では)学年トップの成績
でも、藤代さんはいたってマイペース、人は人、自分は自分
そんなマイペースな日々を送っている藤代さんに
ある日、久世君が、藤代さんをじーっと見つめてつぶやきます

「・・・いや、気になるだよね、藤代さん系って」

えっ、何?、久世君、好きな人はいじめちゃう系?
などと混乱していると、久世君が

「真面目で報われない系?」

いやー、久世君とっても藤代さんをよく見ていらっしゃるんですね、
男子にもいろんなタイプがあるのでしょうけれど、
藤代さんはどちらかといえば、男子が守ってあげたいタイプ?なんでしょうね。 
藤代さんも何となく久世君が気になっているんですが、
久世君のむっつりな態度に最初は爆発して、言いたいこと言ってしまうんですが、
久世君はそんな事はあまり気にしていないようで、
逆に、いい人すぎる藤代さんを心配していて、藤代さんにそのことを話します。
藤代さんも家族のこととか久世君に話したりして、
なんとなく二人の関係が近づいていきます。

ある日、女子が久世君の話をしていて、何だろう?と思っていると、
体育祭の衣装のアイデアの発表と、そのアイデアに対する投票があるようです。

近く体育祭があり、衣装についてのアイデアをクラス内で募っていました。
藤代さんもその募集に参加しようと、時間をかけていろいろ考え応募します。
久世君も参加しようかな?なんて言ったりしてて・・・・・

投票の結果、選ばれたのは久世君アイデアでした。
久世君は10分ぐらいで構想を練り、応募したようで、
藤代さんはそんな結果に何だか悲しくなります。

残った教室でひとり涙する藤代さん、
そんな教室に久世君がやってきます。
泣き顔を久世君に見られ、

「ご、ごめん ごめん なんでもないの アハハ」

でも藤代さんはよくわからなくって更に泣いてしまいます。




















そんなしゃがんで泣いている藤代さんの腕を、久世君は掴み、
「グッ」っと胸元に引き寄せます(わざとではない感じがイイ)
引き寄せられた藤代さんは、え!?って感じになり、ちょっと動揺するんですが、
久世君「次 移動教室だよ」(冷静)
泣き顔で教室になんか行けないと、嫌嫌していると、
久世君「さぼる?」「藤代さんもさぼるとかつまんないこと言うの?」
我に返る藤代さん
久世君「言わないでしょ?藤代さん系って もっと面白いじゃん」
走り出す藤代さん。
置いてけをくらった久世君ですが、何だかうれしそうです。

真面目で報われない系・・・・・
でもひたすら頑張る系
何それ 最高でしょ?

置いて行かれた久世君




















まんざらでもない藤代さん




















そして、久世君の・・・・・・

















おあとがよろしいようで・・・・・ご馳走様でございます。
1話はこれでおしまいですが、2話、3話と、とってもおもしろいですよ。是非是非

追記:
個人的には、「かわいいのなんか知ってますけど何か?」も好きです。
ほんと湯木のじんセンセ期待してますんw

追記2:
試し読みに1話丸ごとあって、もしかしてこのブログ意味ないって気づきました(泣)
見てくれた方に感謝ですw ↓はそのお試しです。

http://betsuma.shueisha.co.jp/book/pc/fujishiro.html

2012年9月11日火曜日

「かくかくしかじか1巻」東村アキコ


















集英社 「かくかくしかじか1巻」東村アキコ


何も考えていない くるくるパーの顔した 私

私自身も高校生の頃は身を入れず勉強?って感じでした。ただ理系教科に関しては、なぜかあまり勉強しなくても、高得点が取れる才能があり、勉強?っていう感じになってしまったのですが、こういったうぬぼれや、高慢な態度は、人生を重ねる上ではやはりマイナスなんじゃないかと、最近思う訳です。

あの頃(高校、大学と)もっと勉強しておけば良かったと、親や先生の言葉が今頃身に沁みるんですよぉ(マジ)。

この作品を読むと、東村せんせも同じような体験をされてます。
ただ私と違うのは、ここぞ、というところで恩師の日高先生に出会い、有無もいわされない状態でがむしゃらにやったという事ではないでしょうか?
学校の教育と違い、お習い事は、師弟の関係みたいなものがあり、師の言葉は正に、『ここでは この人(先生)が法律だった』というように、I'm the Lowな訳で、反抗できない状況です。
これでいいのか?これがいいのか?と自問自答し、東村せんせも、辞めよう!と思いますが、日高先生は嘘をついた東村せんせをおんぶして、バスが来るまで待っていてくれたり、本当はとっても優しい人なんだと、結局、「怒られる」意味を何となく知るんですよね、

こういう体験は、例えば、アルバイトを始めたばかりの時、先輩や社員さんに怒られるみたいな感じと似ていると思います。最近では、教師や親までが怒らなくなってきて、こんな風に怒ってくれる方は少なくなってきているのかもしれません。

先生の優しさという点では、東村せんせが完璧だと思えた推薦入学に失敗した時ではないでしょうか?
ここでも明子の超うぬぼれ感がいなめません(東村せんせすみません)
こういう高慢な態度ではやはり落ちるんですよね、うん、推薦なのに・・・・・

日高先生は落ちた明子を飲みに誘います。

『おう 落ちたか すぐ出て来い 飲み行くぞ』

すごいのは、やはり落ち込む隙を与えないって事です。
悩んでいても不合格は不合格、合格ではないし、何も解決はしません、

『林 飲め 今日だけ飲んで 明日から また描くぞ』

まぁ、東村せんせは描きたくないとゴネますけれど(笑)

大学受験は確かに地方巡業のような事がありますよね、私自身も関西方面に巡業した経験があります。見ず知らずの土地のビジネスホテルに泊まって、次の日の受験に備え、下見に行ったり、隣の部屋のカツプルがうるさかったりしてゲッソリしたり、そうした特殊な状況ですから、宮崎出身の明子には、雪は印象に残ると思います。国境の長いトンネルを抜けると雪国であったという、川端康成ばりな・・・・・

金沢でいろいろあった1次試験に合格した明子に、日高先生は、第一志望の不合格を連絡してきます。(マジですかね、東村せんせは日高先生をド直球と評してます)

1巻の巻末は以下のような台詞で締めくくられます。

私達は 毎日 小さな嘘をつきながら いつの間にか大人になって
大人になったら その嘘の量は 2倍にも3倍に増えて
毎日毎日 色んな人に 気を遣い 色んな人に 気を遣わせ
もう何が本当で 何が嘘なのか 分からない世界を 生きていて
なんだか毎日 悲しいやら 情けないやらで
そんな時はいつも 先生のことを 思い出します。
ねえ 先生
先生
私の先生