2012年8月19日日曜日

「星になる日」鈴木ジュリエッタ

アニメ、神様はじめましたに寄せて、

星になる日には以下の6つの読みきり作品が収録されています。
・  朝がくる: 平成16年 花とゆめ 16号
・  星になる日: 平成16年 花とゆめプラス 9/15号
・  マイブラッディライフ: 平成17年 別冊花とゆめ 1月号
・  サクラチル: 平成17年 ザ花とゆめ 4/1号
・  拝み屋裏台帳: 平成16年 花とゆめ 24号
・  椿檻 平成17年: ザ花とゆめ 2/1号

どれもとても素晴らしく、鈴木ジュリエッタせんせを知りたいと思われる方は是非読んでほしいと思います。
神様は、妖かし系のラブコメですが、ジュリエッタせんせの作品の中には、神様に至るまでに、随所にそれらしい作品があり、「悪魔とドルチェ」や「カラクリオデット」もその伏線的な要素がありますし、星になる日に掲載された、「椿檻」は神様的な作品です。
今回はタイトルである、星になる日をネタバレ承知でレビューします。


『星になる日』はデビュー作ですが、先生曰く「朝がくる」より前に描いたものらしく、
絵を入れなおしてデビュー作になったようです。

暇をもてあますイケメン吸血鬼ドラクロワ、
森に夜の散歩に出かけると、一人の少女、
血を吸おうかと襲いかかると、少女は盲目、しかも天然、
すっかり血を吸う意欲をなくすドラクロワ、少女の名はミナ。

ミナに森にいた理由を聞くと、村が飢饉で食料がなく、
ミナは残る家族のため森に捨てられたらしい(楢山節考みたい)。
そんなミナに凄んではみたが、ミナはすでに天国に行けるものと思い込んでいて、
何か調子を狂わされるドラクロワ。
死にたがっている人間を殺すより、「生きたい」って思わせてやりたいとあることを思いつく。

森の奥の樹海には九百年を生きる魔女ヘラが住んでいて、
ミナの目もきっと治せるはずだと、ドラクロワはミナと共に、魔女ヘラの元に向う。

ドラクロワと魔女ヘラは過去に因縁があるようだが、
ドラクロワはミナの目を見えるようにしてくれと魔女ヘラに頼む、
魔女ヘラは見返りを要求するが、
ミナの天然っぷりに、ミナ自身の生体エネルギーでミナの目を治す。
しかし、ミナの生体エネルギーは既に少なくて、
目が見えるようになった代償にミナが生きていられる時間も残り2時間となってしまった。
ドラクロワはミナに「生きたい」って思わせてやりたくて、
わざわざ魔女ヘラの元に訪れたのに、
ミナの命は2時間だけかと、魔女ヘラに元に戻すようにいう。
しかし、ミナはこのままでいいと・・・・・

命乞いさせるつもりのドラクロワだが、このままでは腹の虫が収まらない。
ミナに素晴らしい世界を見せつけ、命乞いさせようと企む、
老いを知らない吸血鬼のドラクロワ、限りある命のミナ、
魔女ヘラは、そんなドラクロワの暇つぶしに憂い抱く・・・・・

ドラクロワと共に上空にあがったミナは森や星、月に歓喜する。
そんなものは見慣れているドラクロワ、
次に向ったのは、百年に一度満月の夜に咲く幻の花「ビスカチュア」の花畑。
ミナは子供のように花に埋まる(というか転ぶんですが)。
そしてミナは、ドラクロワが人の命の短さ故、
これを逃したら一生見られないから連れてきてくれたのだと知る。

ミナに時間はない、
ドラクロワは、五百年に一度、南の空に降り注ぐ、青の流星群を見せようと、
見晴らしのいい場所を探す。
ドラクロワがミナを抱え場所を探す最中、ミナはとても幸せだった。
なぜなら、ミナの人生でこれほど優しくされた事はなかったからだ。
ミナの頭上には満天の星空が広がっていた。

そして、流星のショーが始まった・・・・・

「見ろミナ!! 流星群だ!!」

やっと見られた 流星群だったが、ミナにはもうほんの少しの時間しかなかった。
ミナは最後の力を振り絞り、ドラクロワに最後のお願いをする。

小さい頃、ミナの母が聞かせてくれた、

「人は皆 死んだらお星様になるの」

きっと私もお星様になって皆を見ている。
でも、きっと、一人で光っているのがさみしくなって、誰かに気づいて欲しかったなら、
その時は、あの暗い森で私を見つけてくれたみたいに
貴方は私を見つけていてね・・・・・

あの日以来ドラクロワはミナとの約束を守っている。

この作品を最初読んだ時、号泣してしまいました。

悪魔とドルチェも良かったし、カラクリオデットは大人買いでしたので、
星になる日が初期の作品だと知り、先の、朝がくるもとっても良くて、
こういった作品が描けるジュリエッタせんせって凄いと思いました。
何となくですが、読みきりは作家さんの実力がよくかわるんじゃないかと、
個人的に思う訳ですが、デビューして力をつける方もいれば、
私が感銘を受けたように、最初?からこんな作品が描ける作家さんもいるんだなぁ、と、

アニメ、神様はじめましたを観る前に、ジュリエッタせんせの作品に触れて頂ければ、
もっと好きになるのではないかと思います。

2012年8月16日木曜日

「しゅうこちゃんのおかし」四元シマコ

■支えているのは・・・

















ケンジの住むアパートにしゅうこが引っ越してきたのは、ケンジとしゅうこが7歳の時、
ケンジにも、しゅうこにも、父親がいない。


高校生になった二人、
しゅうこはいつものようにお菓子をつくりケンジに届けるが、
あまり乗り気のないケンジ、
そんなケンジを尻目に、しゅうこは他の男子にはけっこう人気がある。

昔からしゅうこは口うるさいわけでもなく、
ただ笑って、ケンジに近づいてくる、
愛想があり、要領が良くて・・・・、
今、ケンジはそんなしゅうこが苦手だった。

しゅうこを見ていると、ケンジは自分の不甲斐なさ感じ、
プイライドを傷つけられる。
自分がとても子供のように思え、
良くできるしゅうこが大人に見えて、嫉妬する。

だから、最近のケンジは特にしゅうこに冷たく当たってしまう。

子供の頃、
ケンジの家には母親が仕事でいない代わりに、
沢山のお菓子があった。
ケンジはそんなお菓子よりも、母親の存在が欲しかった。

けれど、そんな冷たいケンジにも、
しゅうこは変わらずケンジに接してくる。

だからケンジは情けなくなり、
心とは裏腹に、しゅうこに酷いことを言ってしまう。

しゅうこはそんな時でも笑顔でケンジに話はじめる・・・・

小学校1年生の時、
引越ししたばかりで、家には誰もいない、
隣の子(ケンジ)はツンツンしていてあそんでくれない、
うちにひとりで寂しくて、
お菓子をつくればその寂しさが紛れるんじゃないかと思い、
一人ではじめてクッキーを作った。

お菓子があれば、ケンジが来てくれるかもしれないと、ケンジを呼び、ケンジとふたり焼き上がるのを一緒にまった。
しかし、出来上がったお菓子は焦げてしまっていた。
けれど、ケンジはそれを「おいしい」といって食べてくれた。
しゅうこはとてもうれしくて、
ケンジにお菓子を作っている時は、その寂しさを忘れられるのだと、ケンジに話す。


しゅうこはいう、

『ケンちゃんのためにじゃなくて、ケンちゃんを支えにしているの』

ケンジは、しゅうこの焼いたお菓子を徐にとりだし食べ始める、

『・・・うまい』








これは、ある意味、愛の告白でもあるように感じます。

最後、ケンジがとっても男の子らしくって、素敵なんですよ。(台詞は消しました)














ホント、四元シマコせんせの描く女子はかわいいんですよね、
というか、しゅうこは一途で、実はとっても大きい存在なのかもしれません。
誰かを好きでいるって実は凄く大変だし、
好きな人でも嫌なところってあるのもです。
けれど、そんな事はしゅうこにはまったく関係ないように感じます。
愛する力って本当に凄いですね

2012年8月3日金曜日

「くうのむところにたべるとこ」ヤマシタトモコ

愛と食欲に溺れるシリーズ dish1 Cocohana Sep 2012

二人で焼肉・・・・・

普通焼肉は家族だったり、
カップルで行ったりするものだと思うのですが、
最近は女子同士でもガッツリ行くなんて事ありますから
わかりませんが、

この二人(名前すらわからない)いい歳(20代後半から30代前半)に見えるんですが、女子二人で焼肉です。

それも、興奮するとか、性的とか、言ってるし、

・・・知ってる?肉に含まれるコレステリンと性欲の関係
とか、

まだある、

あんたとしたいの・・・・焼肉
とか、



・・・・・・キス したい な ・・・・・あんたと

・・・・・臭いよ?あたし














・・・・・あたしもよ?












これはもうガチ百合さんですwww (ヤマシタトモコせんせの場合、ビアンって感じですが)

場面向こうには男性のお客さん二人が、見てます。こちらを、

オチは、まぁ、お腹いっぱいですからね(笑)

因みに、表紙の絵では手にカラーを持ってますよね、
カラーの花言葉は、「清純、乙女のしとやかさ」なんですよ、フフフ