■支えているのは・・・
ケンジの住むアパートにしゅうこが引っ越してきたのは、ケンジとしゅうこが7歳の時、
ケンジにも、しゅうこにも、父親がいない。
高校生になった二人、
しゅうこはいつものようにお菓子をつくりケンジに届けるが、
あまり乗り気のないケンジ、
そんなケンジを尻目に、しゅうこは他の男子にはけっこう人気がある。
昔からしゅうこは口うるさいわけでもなく、
ただ笑って、ケンジに近づいてくる、
愛想があり、要領が良くて・・・・、
今、ケンジはそんなしゅうこが苦手だった。
しゅうこを見ていると、ケンジは自分の不甲斐なさ感じ、
プイライドを傷つけられる。
自分がとても子供のように思え、
良くできるしゅうこが大人に見えて、嫉妬する。
だから、最近のケンジは特にしゅうこに冷たく当たってしまう。
子供の頃、
ケンジの家には母親が仕事でいない代わりに、
沢山のお菓子があった。
ケンジはそんなお菓子よりも、母親の存在が欲しかった。
けれど、そんな冷たいケンジにも、
しゅうこは変わらずケンジに接してくる。
だからケンジは情けなくなり、
心とは裏腹に、しゅうこに酷いことを言ってしまう。
しゅうこはそんな時でも笑顔でケンジに話はじめる・・・・
小学校1年生の時、
引越ししたばかりで、家には誰もいない、
隣の子(ケンジ)はツンツンしていてあそんでくれない、
うちにひとりで寂しくて、
お菓子をつくればその寂しさが紛れるんじゃないかと思い、
一人ではじめてクッキーを作った。
お菓子があれば、ケンジが来てくれるかもしれないと、ケンジを呼び、ケンジとふたり焼き上がるのを一緒にまった。
しかし、出来上がったお菓子は焦げてしまっていた。
けれど、ケンジはそれを「おいしい」といって食べてくれた。
しゅうこはとてもうれしくて、
ケンジにお菓子を作っている時は、その寂しさを忘れられるのだと、ケンジに話す。
しゅうこはいう、
『ケンちゃんのためにじゃなくて、ケンちゃんを支えにしているの』
ケンジは、しゅうこの焼いたお菓子を徐にとりだし食べ始める、
『・・・うまい』
これは、ある意味、愛の告白でもあるように感じます。
最後、ケンジがとっても男の子らしくって、素敵なんですよ。(台詞は消しました)
ホント、四元シマコせんせの描く女子はかわいいんですよね、
というか、しゅうこは一途で、実はとっても大きい存在なのかもしれません。
誰かを好きでいるって実は凄く大変だし、
好きな人でも嫌なところってあるのもです。
けれど、そんな事はしゅうこにはまったく関係ないように感じます。
愛する力って本当に凄いですね
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