☆亘理くんとふれたなら
A.T.Fieldな理系男子・・・・・
汐見麻衣は明るくて元気な、どこにでもいるような普通の女子高生です。
母子家庭みたいで、母親が海外で働いています。
本当は寂しいけれど、大丈夫だよ!って言っちゃうタイプの気丈な女の子。
そんな麻衣のもとに、一人の男の子がやって来ます。
名前は望月亘理(わたり)くん。
北欧で暮らしていたけれど、身寄りがなくなり、
麻衣の母親がいろいろかけあって、
日本の大学へ奨学生として入る事となった。
その亘理くん、高校を飛び級で卒業するほどの天才で、
大学へ編入する3週間だけ、麻衣の家で過す事となる。
亘理くんがやってくる日、麻衣は割りと舞い上がっていたんですが、
やってきた亘理くん、そのような事は露知らず、
玄関が開いていたと、勝手に家に上がりこみ、
挨拶も程々に、鍵をかけて部屋に篭ってしまいます。
そんな訳なので、学校のお友達に、
どうなの?って聞かれても答えに困ってしまいます。
麻衣はお菓子作りが大好きで、
料理部でパータ・ビスキュイ(スポンジケーキ)を作ります。
学校の男子(約1名)には好評で、亘理くんの事で落ち込んでいましたが、
褒められた事で、元気を取り戻します。
お家に帰り、亘理くんにそのお菓子を食べてもらうのですが、
亘理くんは、自分が作った方がおいしいとか言うし、
更に、「教えてあげるよ」なんて言ったりします。
洋菓子には慣れている亘理くん、理系の知識を生かし、
美味しいケーキが出来上がるのですが、
麻衣は自信喪失する。
ただ、亘理くんはなぜケーキを作るのか?
麻衣と亘理くんは同じような境遇だったためか、その理由に共感する。
そして、亘理くんが、悪気のない真っ直ぐな性格だという事を知る。
仲良くなれそうな糸口は見つかったのだけれど、
もう少し亘理くんに近づきたい麻衣、
友達の提案で勉強会を麻衣の家でする事に、
けれど、あまり乗り気のない亘理くん、
とっても嫌そうだけれど、何とか承諾を得るのですが、
元々やる気がないので、
亘理くん得意の冷徹攻撃で友達を怒らせてしまいます。
さすがの麻衣もこればかりはと激昂します。
これまでの疲れが出たのか、麻衣は風邪を引いてしまいます。
どんなに亘理くんの事を想っても、
亘理くんには届かない、
そんな麻衣の独りよがりな気持ちが、怒りとなり、亘理くんに向けられた。
麻衣は亘理くんに誤ろうと部屋をでる。
そんな麻衣に亘理くんは生姜湯とおかゆを作ってくれていた。
麻衣は気丈に振舞っていたけれど、本当は寂しくて、
母親に行かないでと言えなかったし、
そんな寂しい一人暮らしに亘理くんがやってきて、
自分は空回りばかりだと、
亘理くんに告白する。
亘理くんも麻衣に
人の気持ちや感情がどういうものなのかは、どうしてもよくわからなくて、
気づくと、人に嫌われている。
けれど、近くにいてくれた人が離れていくのは未だに慣れない
と告白する。
どうして、亘理くんは麻衣にそっけなかったのか、
最初から距離を置こうとしていた亘理くん、
「僕、きっときみを傷つけたよね」
麻衣が、本当の亘理くんとふれた瞬間でした。
さて私的見解ではありますが、この作品、
理系男子特有の良さや悪さが凄くよく出ている作品かなぁ?と思います。
理系男子って、
- プライドが高い、あるいは高そうに見える
- 感情や心配りの配慮に欠けていて、冷たそうに見える
- 感情的な会話になるとハーッというような顔で話を聞かなくなる
- 専門的な知識は物凄くありますが、反面、人間同士の微妙な心の動きとかが見えない
- 話をしているだけなのに、逆に解決策を延々話す
みたいなところが一般的にはあります。
けれど、表に出てこないだけで、
実は一所懸命に考えていたり、どうしてなのかと、
理由を言ってくれればいいのになぁと思ったりします。
麻衣に酷い事言われても、
さらっと、生姜湯とおかゆを作ってくれるところなんて、
とっても男子だなぁって思います。