2012年7月22日日曜日

「青い花7巻 若草物語」志村貴子


太田出版
















河久保さんの恋


はじめて好きになったのは幼稚園の先生
初等部にあがると、同じ班の日下部さんを好きになった
日下部さんはわたしが日下部さんを好きなほどには
わたしのことを好きではないようだった

あきらめのよい私は次々に恋をした。

それらはすべてこちらの一方的な思いばかりで
実ったためしはない

告白したこともないのだから
実るはずもなかった。

人は生きている間にどれだけ恋をするんだろう
一般的な人ならば、実ることの方が少ないのではと思うのです。
しかも同性という・・・・・

そいうゆう恋だから、きっと相思相愛になったら
相手を一層大切に想うのだ。
自分の好きな相手が、自分を好きになってくれて、
ずっと好きでいてくれるって本当に幸せだと思う。

ラスト、待ち合わせと思われる場所で、向き合うふたりがいるのですが、
私は、河久保さんの恋はここで終わり、
河久保さんとお相手の「愛」が育まれる事を切に願うのです。

しかも、その待ち合わせ場所が江ノ電・・・・・
本には「青い花×江ノ電フェア」のお知らせが入ってました。

是非、えのでんはうすでは、青い花のDVDを販売してください。
しかもブルーレイになったらとってもうれしいんですけれど、
太田出版さん及び関係各位さまへ

追記:
えのでんはうすに行って来ましたよ.....DVDは流れてましたが、
流石にDVDは販売してませんでした、もちろん、BDもね

2012年7月14日土曜日

「荒野の恋2」タカハシマコ 原作:桜庭一樹


荒野が好きなの、
告白・・・それはせつなくて苦しくて

父の愛人が家に押しかけてきたところを、またしても悠也に助けられる。
荒野は、悠也に、そんな父をもつ苦みを泣きながら打ち明ける。
悠也は自分の部屋にこいと荒野を誘う.....

悠也の部屋には本とレコードがいっぱいある。
時折悠也の部屋から音楽が聞こえてくるが、
荒野にはそれが何て音楽なのかよくわからない。
悠也はそれが、ジャズだと教え、
そして、荒野の父が、ジャズの演奏家のように、ハングリーアートの人で、
そしてそれは仕方ないことで、
そんなことは荒野には関係ないことだと話す。

悠也の部屋で聴くジャズ、
トランペットの音が荒野には悲鳴のように聞える。
そして、聴いているとなぜか荒野の瞳から涙が零れ落ちる。
焦る悠也、荒野の頭に触れようとするが・・・・・
そんな悠也からなぜかとてもいい匂いがする。

講談社 なかよし KCデラックス














そして強く胸が痛む。

夏休みに入り、何の予定もなく、
江里華とも気まずいまま話せずにいた。
そんな中、江里華が突然、荒野の家にやってきた。(焦る荒野ちゃん)

話があるという江里華、
何気に邪魔が入りすぐには本題に入れないけれど、
江里華はずっとごめんと荒野に謝る。
そして「荒野が好きなの」と告白する。

講談社 なかよし KCデラックス















荒野も江里華が好きだよ(お約束なボケ)と言うが、
「・・・荒野、そうゆう好きじゃないよ」と.....


講談社 なかよし KCデラックス












わーん、もう思いっきりの百合告白で、
頭が真っ白くなってしまいましたよぉ.....
江里華ちゃんかわいい、

江里華がなぜ荒野に冷たかったのか、何気に気づいてましたが、
いや、本当にそうなのかと、
そして、作中、悠也を見る江里華の目が怖いので、
ははーんと、
江里華は悠也もまた、自分と同じように荒野が好きだし、
荒野は悠也が好きなのよね、っと突っ込まれて、
また強く胸が痛む荒野ちゃんなのでした。


江里華が荒野に告白し、
江里華は居たたまれなくなり、部屋を出るんですが、
蓉子(義母で悠也の母)が立ち聞きしていて、うまく江里華をフォローしてくれます。
さすが大人の女性という感じで.....

物語はその後、悠也が海外留学をするという突然の報告で
3巻に引き継がれます。

わー、3巻楽しみです。
巻末のお知らせでは完結ってなってますが、これで終わりなんですかね?

しかし、このお話は『なかよし』なんですよねぇ・・・・・
前回も言いましたが、大人でも?大人が?楽しめます(笑)

2012年7月10日火曜日

「もう卵は殺さない」香魚子(その3)

☆亘理くんとふれたなら

A.T.Fieldな理系男子・・・・・

汐見麻衣は明るくて元気な、どこにでもいるような普通の女子高生です。
母子家庭みたいで、母親が海外で働いています。
本当は寂しいけれど、大丈夫だよ!って言っちゃうタイプの気丈な女の子。

そんな麻衣のもとに、一人の男の子がやって来ます。
名前は望月亘理(わたり)くん。
北欧で暮らしていたけれど、身寄りがなくなり、
麻衣の母親がいろいろかけあって、
日本の大学へ奨学生として入る事となった。

その亘理くん、高校を飛び級で卒業するほどの天才で、
大学へ編入する3週間だけ、麻衣の家で過す事となる。

亘理くんがやってくる日、麻衣は割りと舞い上がっていたんですが、
やってきた亘理くん、そのような事は露知らず、
玄関が開いていたと、勝手に家に上がりこみ、
挨拶も程々に、鍵をかけて部屋に篭ってしまいます。
そんな訳なので、学校のお友達に、
どうなの?って聞かれても答えに困ってしまいます。

麻衣はお菓子作りが大好きで、
料理部でパータ・ビスキュイ(スポンジケーキ)を作ります。
学校の男子(約1名)には好評で、亘理くんの事で落ち込んでいましたが、
褒められた事で、元気を取り戻します。

お家に帰り、亘理くんにそのお菓子を食べてもらうのですが、
亘理くんは、自分が作った方がおいしいとか言うし、
更に、「教えてあげるよ」なんて言ったりします。
洋菓子には慣れている亘理くん、理系の知識を生かし、
美味しいケーキが出来上がるのですが、
麻衣は自信喪失する。

ただ、亘理くんはなぜケーキを作るのか?
麻衣と亘理くんは同じような境遇だったためか、その理由に共感する。
そして、亘理くんが、悪気のない真っ直ぐな性格だという事を知る。

仲良くなれそうな糸口は見つかったのだけれど、
もう少し亘理くんに近づきたい麻衣、
友達の提案で勉強会を麻衣の家でする事に、

けれど、あまり乗り気のない亘理くん、
とっても嫌そうだけれど、何とか承諾を得るのですが、
元々やる気がないので、
亘理くん得意の冷徹攻撃で友達を怒らせてしまいます。

さすがの麻衣もこればかりはと激昂します。
これまでの疲れが出たのか、麻衣は風邪を引いてしまいます。
どんなに亘理くんの事を想っても、
亘理くんには届かない、
そんな麻衣の独りよがりな気持ちが、怒りとなり、亘理くんに向けられた。
麻衣は亘理くんに誤ろうと部屋をでる。

そんな麻衣に亘理くんは生姜湯とおかゆを作ってくれていた。
麻衣は気丈に振舞っていたけれど、本当は寂しくて、
母親に行かないでと言えなかったし、
そんな寂しい一人暮らしに亘理くんがやってきて、
自分は空回りばかりだと、
亘理くんに告白する。

亘理くんも麻衣に
人の気持ちや感情がどういうものなのかは、どうしてもよくわからなくて、
気づくと、人に嫌われている。
けれど、近くにいてくれた人が離れていくのは未だに慣れない
と告白する。

どうして、亘理くんは麻衣にそっけなかったのか、
最初から距離を置こうとしていた亘理くん、

「僕、きっときみを傷つけたよね」

麻衣が、本当の亘理くんとふれた瞬間でした。


さて私的見解ではありますが、この作品、
理系男子特有の良さや悪さが凄くよく出ている作品かなぁ?と思います。
理系男子って、
  • プライドが高い、あるいは高そうに見える
  • 感情や心配りの配慮に欠けていて、冷たそうに見える
  • 感情的な会話になるとハーッというような顔で話を聞かなくなる
  • 専門的な知識は物凄くありますが、反面、人間同士の微妙な心の動きとかが見えない
  • 話をしているだけなのに、逆に解決策を延々話す
みたいなところが一般的にはあります。
けれど、表に出てこないだけで、
実は一所懸命に考えていたり、どうしてなのかと、
理由を言ってくれればいいのになぁと思ったりします。

麻衣に酷い事言われても、
さらっと、生姜湯とおかゆを作ってくれるところなんて、
とっても男子だなぁって思います。

2012年7月4日水曜日

「もう卵は殺さない」香魚子(その2)

☆茉莉花にくちなし

里美茉莉花、17歳、顔もよければ勉強もできる。
落とした男は数知れず。女の憧れ、そして、敵・・・・・

















マーガレット コミックス 集英社



茉莉花は学校帰りに心臓発作を起こし、
自分でもわからぬまま、突然帰らぬ人となった。
だから、いまだ今生に未練があり成仏できないでいた。


そんな茉莉花が倒れていた場所に、ひとりの女の子、
名前は、支子(つかこ)。
何か訳ありっぽい感じですが、お線香をあげて供養してます。
そんな支子に、幽霊となった茉莉花が声を掛ける、
もちろん、支子はびっくりする。


茉莉花は、支子が学校でイジメにあっている事を思い出して、
支子に憑依し、支子を変えてあげると提案する。
もちろん自分の未練を実現しようとしての事、


憑依する事を一旦保留する支子だけれど、
駅のホームで同級生のカツアゲにあってしまう。
茉莉花は、支子に「このままの自分でいるのは嫌でしょ」と、憑依を促す。


マーガレット コミックス 集英社



憑依に同意した支子は、反対、茉莉花にやり残した事はないかと聞いてみる。
茉莉花は大好きな桂葉広樹(ヒロ)ともう1度デートしたいと支子に話す。


支子とヒロ君は、実は幼馴染で、支子はヒロ君が好きなんですね、
けれど、お互い成長するとともに疎遠になって、
支子はヲタの道にどっぷりと浸かってしまう。
そんな支子を見て茉莉花は哀れだと感じる。


なんとしてもデートしたい、茉莉花、
イケてない支子の髪型を変えて(テレる支子ちゃんが可愛い)、















マーガレット コミックス 集英社




ヒロ君をデートのお誘いに望みます。

支子に憑依した茉莉花はヒロ君を、うまくデートに誘う。(茉莉花凄い)
しかし、なぜかそれを見ていた女子たちがカチンときます。
まぁ、女子にはありがちな、典型的なイジメに支子はあってしまう。


どこまでも自分を変えようしない支子を茉莉花は歯がゆく思っていた、
なぜなら、茉莉花には、暗い過去が・・・・・

今の自分に満足している人はどのくらいいるのだろうか?
人間は、変化のトリガーを何か(誰か)に期待しているのかもしれない、

確かに、支子の変化は茉莉花が憑依して、もたらしてくれたものだ。
同じように茉莉花の未練も支子という物体が存在していたからこそ成仏できる。


しかし、茉莉花が支子を、支子が茉莉花を直接的に変えたという訳ではなく、
お互いがトリガーとなって、茉莉花が支子を体験し、支子が茉莉花を感じて、
結局、自分で自分自身を変えている。


人は変化を嫌うものです。
しかし、何も失敗しない人や、何も苦労しない人に、
失敗した人の気持ちや、苦労した気持ちはわからないと思うのです。


もしかすると良いお友達になれたかもしれない二人、
それに気づいた茉莉花 だけれど、自身の存在はもうこの世からいなくなっていて・・・・・


次回は、「亘理くんとふれたなら」です。ここにも典型的な男がいます。